Good Bye 2020.

代表ブログ

2020年、遂に、大晦日。
例年の如く、肌寒いけれど、このまま遊びに行きたくなる程の気持ち良い快晴なり。
朝からカフェ籠りして、この大晦日ブログを書き始めている。

毎年恒例のこの流れにおいて、今年唯一の違いは、
周りの人々が、皆、マスクを着けていて、テロリストのような風貌と化していること。
人前で覆い隠さなければならない鼻と口は、いつから “秘部扱い” されることになったのだろうか・・・
再来年からは、人の顔の一部にモザイク処理が必要になるのだろうね、きっと。

というくらい、今年発生した “新型コロナウィルス” は、これまでの「当たり前」を変えに来ている。
もちろん、この世には大変なことがたくさん起きているけれど、私個人としては、楽しくて仕方がない。

激変が起きることで、未来に対する不確実性の拡大、既存固定概念の崩壊、新しい価値観やサービスの創造など、
自分が生きている中で、これだけ大きな歴史的転換点に遭遇できることは、運以外の何物でもないと感じる。
生まれてくる親や場所や時代を選べず、どんなに努力しても選択することができない宿命がたくさんあるのに、
ここまで恵まれてきて、たくさんの魅力的な人に囲まれて、刺激的なタイミングや環境に包まれていることに感謝しかない。

具体的に、この1年を振り返ってみると、今年はいつも以上に変化した年だった。いつもなんだけど。
大胆に変えたことや、そこに至る思いについては、オフィス移転ブログで好き勝手に書きまくったのでそちらに譲ろうと思う。

ちょうど1年前の今日、来年やろうと決めていた目標は、ことごとく修正や再考を余儀なくされた。

海外事業をやろうと思っていたのに・・・現地に行けず中断。
都心にカフェを開こうと思っていたのに・・・電卓叩かなくても赤字必至で断念。
地方拠点のオフィスを作ろうと思っていたのに・・・そもそも不要と判断。

ワクワクして練っていた企画が白紙になり、それが余計、ワクワク感を増大させる結果になるとは、
この2020年はとんでもなく学びの深い時間となったし、自分自身をより深く知ることができた。

今年を語るのに、まず始めに、超プライベートなことから書いておこう。(ここ、読み飛ばしてもらって大丈夫です)
それは、「祖母の他界(享年90歳)」である。
いままでの親しみを込めて、ここから「ばあちゃん」と書くことにする。

自分が生まれた時は、両親が共働きだったので、いわゆる「ばあちゃん子」だった。
超引き籠もり&慎重派幼児の自分は、毎朝、幼稚園に行きたくないと玄関先で泣き騒ぎ、
いつもばあちゃんの自転車の荷台に括りつけられて送り届けられるという遅刻の常習魔だった。
寒い冬でも、ちゃんちゃんこ着ながら自転車漕いでくれた背中の光景は、朧気ながら今でも覚えている。

さらに、幼稚園で折り紙の時間に、友達と一緒に机の下でハイハイしてスカートめくりしていて、先生に激怒された時も、
「男の子はそのくらい元気じゃなくちゃ。パンツなんかただの布きれなんだからね~」と全力で擁護してくれたが、
あの時、もっと厳しく叱ってもらった方が良かったと、今では少し後悔している。幼少期って大事。(笑)

他にも、ばあちゃんからの学びは多かった。

ばあちゃんは、僕が小さい頃から通っていたスイミングスクールの売店で、ひとり売り子をしていた。
最初は、泳ぎ終わって腹が減っていたので、大好物のフライドポテトを食べたかったから店の手伝いをしていた。
その後、マセガキの小学生は、時給という言葉を覚えて、お店を手伝うから時給をほしいと言ってみた。

すると、「自分の時間を切り売りしちゃダメだよ、大事な命を売るのと同じだよ。」とばあちゃんに言われた。
「お金を稼ぎたいなら、たくさん勉強して、お客さんにたくさん買ってもらう工夫をするしかないんだよ。」と続けられた。
たぶん、そこから、自分で工夫していけるようになるために勉強するんだ、という意義をつかみ取ったと思う。

今年10月、大好きな花いっぱいに盛られた棺に入ったばあちゃんの動かない笑顔を見て、
自分の原点を教えてもらったことを思い出した。

その他、自宅の前で野良犬に絡まれていた犬の散歩しているおじいさんを、
洗濯用の重い物干し竿を竹槍に見立てて、野良犬を蹴散らして助けてあげたり、
飼っていた犬の名前を勝手に変えて通称に仕立てあげたり(正式:らんまる⇒通称:ろんぺい)、
賞味期限2年切れのカップラーメンを「夜食だよ~」って持ってきてくれたり、
70歳超えてからフラダンス教室に通って、全身ド派手な花柄ドレスで踊りまくっていたり、
弟が探していた買ったばかりのTシャツを勝手に着て庭の植木の手入れをしてたり・・・
まあ、型破り、かつ、どんな人にも優しいばあちゃんでした。

大晦日で、この場で振り返ることではないかもしれない超プライベートな出来事だけど、
戦争含めて厳しい時代を生き抜いてきた教えは、今でも、これからも活きる教訓として大切にしていこうと思う。

コロナ下の自粛により、身内に限ったささやかな葬儀になったけれど、
結局、親戚が集まって、ばあちゃんのこれまでの偉業を談義していたら、火葬場の我々の待合い部屋だけ大爆笑の渦。
涙、涙にくれた惜しまれる最期ではなく、集まった人が笑顔で送り出せる珍しい葬儀になった。
もうおじさんになってきてしまったけど、自分の最期は、ばあちゃんのように、涙ではなくて人の笑顔や談笑で送り出されたら最高だと思う。
そのためには、まだまだ、ばあちゃんとの差は歴然としていて、様々な面で、もっと努力していかなければならないと思う。

さて、仕事の面では、今年は、当然ながらコロナの影響を受けたクライアントと共闘してきた。
財務を基軸とした企業支援をしている当社は、こんな状況下にこそ、価値を提供しなければならない。
リーマンショック、東日本大震災を上回る、今までの波とは異なるレベルでの「絶好の戦場」がやってきたと認識している。

当たり前のことだが、企業が絶対に潰れないための条件は「資金」を持っているということ。
各種政策制度を活用することであらゆる手段を駆使して、クライアントの資金調達を敢行できて一段落している。
ただ、ここから先が本当の勝負。
借りた金は返さなくてはならない。そして、この状況下で、その返す金をどのように生み出していくのか。

そんな中、二極化が特に進んできていると実感している。
環境変化をどのように捉えて、具体的にどう行動していくのか。
雨が降っても、雪が降っても、コロナが流行っても、企業経営の世界においては、すべて「経営者の責任」である。
コロナについて、ブツブツと宣っている時間なんかない。
これまでの歴史が証明している通り、歴史とは変化の連続であり、変化がない方が稀有なのだ。
珍しいことではなく、これからも続いていくことなのだ。

今年、弊社としてはオンラインに主軸を移して、これにより全国各地の新しい企業や経営者との付き合いも始まった。
前々からやろうとしていたビジネスモデルは、この波により確実に乗ることができた。
ここが今年の最大の収穫であり、ラッキーであったと思う。

「オンラインで」と言いまくると、人と人が会うことをないがしろにしたり、
提供するサービスがおざなりになるというイメージが先行しがちであるが、実は、その逆である。

オンラインを主軸(通常の姿)にすることで、
実は、「オフライン(同じ空間で対面すること)」の重要性や価値がとても浮かび上がるという構造なのだ。

これは、「遠距離恋愛」に似ている。(経験ないので説得力に欠けるが・・・笑)

通常スタイルとして、クライアントやメンバー達と、オンラインでミーティングをしている。
そして、時々、オフラインで会おう、ということで酒を酌み交わし、美味いもの食べながら、ガッツリ議論したり談笑する。

この時、それまで会えなかった分だけ、お互いの気持ちは熟成し、話は尽きず、会った時の盛り上がりは半端ないのだ。
まさに、時間が濃厚になる。これは、今年、身をもって体感したことである。

「オンラインは、オフラインのためにある。」
だからこそ、オンラインを活用する。どちらかだけあれば良い訳ではないのだ。

これを、さらに加速していくことが、来年のひとつのテーマであり、もうその準備は万全である。
他にも複数の重点テーマがあり、始まる前から1年という限られた時間で足りるのかどうかという内容である。

そんな状況ではあるが、来年以降、未来は誰にも分からない。

未来が見えてしまうということは、恐れにもつながる。
我々は、財務という面から、未来を予測したりシミュレーションをする。
クライアントよりも先に、未来がある程度見えてきたりもする。

来年の損益や資金残高の予測をしてみたところ、このままでは来年倒産してしまいそうだ。
そんなことも、前提条件を置いた上ではあるけれど、見えてしまったりする。

先日も、未来の厳しい財務状況を試算した結果を率直に申し上げたところ、

「サバイバルって、興奮するんですよね。」

と、目をキラリと輝かせながら発した経営者がいた。

これは、今年のMY流行語大賞になった。

極限の状況下で、眠っていた可能性が発揮され、隠れていた本性が浮かび上がる。

この刺激的な世界の中で、全力で行動していこう!
何かのせいにして、引き籠もってる場合じゃない。
今までできなかったこと、これからやってみたいこと、全てできる方法を考えて進めていけばよいだけだ。

「生きていれば、なんでもできるんだよ、けんちゃん。」(by ばあちゃん)

とりあえず、いくぞーー!!
なんだか分からない、不透明な・・・サバイバル2021年!!

Thanks All, 2020.

関連記事一覧