Last HEISEI.
平成元年(1989年)
小学校6年生の僕は、毎日ジャージを着て学校に通う、ただのハナタレ小僧でした。
その日の宿題は学校にいる間に終わらせておくのが基本で、放課後は学校裏の家にランドセルを放り捨てて、すぐさまドロケイしに学校に戻っていく。
たまに、家の門を開けた時の隙をついて、飼っていた犬が脱走し、逃走先の小学校まで捕まえに行く。
走って追いかけても、速くて捕まらない。
仕方なく滑り台とかアスレチックで遊んでいたら、犬はとっくに家に戻っていて、かあちゃんが夕飯できたよ〜、と暗闇の奥から現れて迎えにくる始末。とにかくドロケイ、缶蹴り、野球、サッカー含む遊びだけが楽しかった。
そして、すっかり忘れていたことだけど、
平成元年になった瞬間を、僕はニューヨークで迎えていた。
「平成」と新元号が書かれた額を掲げた、あの有名な小渕元官房長官のシーンをホテルの部屋のテレビで見た直後、夕飯を食べにいこうとした。
エレベーターで1Fまで降りて扉が開いたら、拳銃持った警察がたくさんいてロビーを取り囲んでいた。
隣のエレベーターに、拳銃を持った強盗がいて乗っていたおばあさんを脅している模様。エレベーターが着くなり、直後に揉みくちゃになりながら怒号が飛び交い、犯人は取り押さえられていた。パトカーのサイレン音が、ホテルの周囲には鳴り響いていた。
そんな光景を目にして、僕の心は、全く”平静” ではなかった。
その後、一緒に旅行に来ていた弟はハンバーガーを食いまくっていたが、
僕は体調が悪いと言って、水も喉を通らなかった。
海外旅行が好きな叔母に連れられて、冬休みを使ってのロンドン、パリ、ニューヨークと初めての海外旅行、しかも世界一周の旅。
一日も早く帰りたかった。
それが30年後のおじさんになった僕はどうだ。
子供の頃のチキンハートはどこへやら。
ヒョロヒョロの棒みたいなスレンダー男子は、一変してガッツリと貫禄がつきました。筋肉も脂肪も。。
喜怒哀楽は結構激しい方だし、新しいことはまず率先してやってみる。
自分で会社を興して、ありがたいことに、様々な会社のビジネスに関与させていただいている。それもぶっ飛び気味の刺激的な方々と共に。
そして、今では、国内海外と飛び回っている。じっとしていられない性分になってしまったのだ。
あちらこちらでいろんな言葉(福岡弁などの方言を含む)を話す人たちと仲良くなり、仕事もさせていただいている。
変化とは、すごいものだ。
そして、いつでも、変化はついてくる。
今や、小学生までも1人1台の携帯電話を持ち歩いて、
カメラはフィルムの残数を気にすることなく、撮った直後にその場で写真を確認できたり、
飲食店の口コミやおススメのメニューを事前に知ることができたり、
お店に行かなくてもモノが買えて、翌日には自宅に届く。
銀行の窓口に行かなくても、送金できるし、
映像を見ながら海外にいる人たちと話しができる。しかも無料で。
オフィスも持つ時代からシェアする時代へ移行しつつある。
別々の会社の人が、コーヒーサーバーの前で飲みながらその場で名刺交換してお互いのビジネスについて話し出す。
凄腕の若手プログラマーにもこの一ヶ月で会うことができた。
自転車だって、1分4円で借りられる。スマホでカギを開けて、その後は乗り捨て自由で後払い。
ライターが必要だった紙のタバコは、火をつけなくてよい電子タバコに。なんか匂いも違うし。
車だって、地図いらずのカーナビ付き、ガソリンいらずに電気で動く、さらにハンドル操作せずに自動運転の時代へ?!
あとは、週刊誌の袋綴じをビリビリ開かなくても、モザイクのかかってない画像がネットに飛びかっている。
(これは、僕には関係ないことだけど、世の中の変化の事象として一応書いておこう)
まあ、ここら辺にしとこうか。。
改めて、変化とは、すごいものだ。
そして、いつでも、変化している。
結果的に見て「いい変化だった」と感じられることができたら、その人は幸せなのかもしれない。
変化というものは、否応なく訪れる。
でも、自らが変化を生み出していくこともできる。それがとっても小さな波であったとしても、それは自分にとって起こしたい波であるのだ。
幸せになる、というと大袈裟なのだけど、
ふと自然と笑顔になってしまう、
もっと言うと、みんなでバカ笑いができる。
何かを体験し、共有し、心にじーーんと何かが込み上げてくる。
これ、マジでスゴイね!と言いながら興奮できる。
おれ、もっと頑張ろう!って、さらにエネルギーが湧いてくる。
最近はこんな瞬間がさらに増えてきた気がする。
そういう瞬間を、これからも一回でも増やしていきたい。
自分だけではなく、周りの人たちにもそれを波及させていきたい。
ハナタレ小僧はたまにまだハナタレてることもあるけれど、大人になり、だんだんと変化を起こせるようになってきたと思う。
今から起こす予定の新しい事業も、まだ見ぬ形だけれど、多くの出会いや協力者の方々と共に具現化してきている。
でも、それ以上に、世の変化が激しく、スピードがとてつもなく早い。
なんでも現状維持にこだわることは無駄な抵抗なのかもしれない。
変化や流れをいち早く察知し、そこも楽しみつつ、自らの意思で、まだ見ぬ未来に能動的な変化を起こし、
それに呼応してくれるいろんな方々とともに、また新しい「令和」という時代を過ごしていきたいと思います。