期待するというチカラ。
褒めて伸ばす。
コーチング。
モチベーションを上げてあげる。
僕が大っ嫌いな言葉。
なんだよ、それ、って。
なに、甘いこと言ってんだよ、って。
それでも、きっと日本各地で横行してるんですよ、これらの言葉。
この前も、クライアントの社長が、
コーチングの大切さについて目の前で語ってくれた。
きっと、私の表情には表れていたのだろう。
熱弁をふるっていただいた後、
「まあ、野原さんは絶対できないですよね?
僕も全然できてなかったんですけど、僕よりも絶対にできないはずっ!!」
笑って断言されました。
即座に、確かに!と答えました。
同感だったからです。
昔から、なにかやり遂げて褒められたって、
おれはこんなもんじゃない。
こんな程度で、よくできました〜なんて、
小学生のスタンプじゃないんだから、もらったってなんの意味もない。
もっとも、小さい頃から親からガッツリ褒められた記憶がほぼない。
まだまだ上には上がいるんだぞ〜、課題はたくさんあるんだぞ〜、満足したらそこで終わりなんだぞ〜、って。
それより、自分には何が足りないのか、
できていないところをこれでもかとフィードバックされたほうがよっぽど意味がある。
それで、気分が悪くなったり、自信喪失するかもしれない。
ただ、適度なところで適当に褒められるよりどんなに良いことか。
そう思ってきた。
だいたい、褒められて伸びる奴より、
なにくそ!!っていうそういう反骨心のある者が、
本当に壁を突破できるんだ。
いま一流だと言われるプロフェッショナルな人で、
褒められて伸びてきた人はどれくらいいるのだろうか?(いるのだろうね、たぶん)
競争が激しい、弱肉強食の世界で、褒められるかどうかなんて言われてるんだろうか?
以前、訪問したアジア諸国で出会った人々は、みんなグイグイ攻めてきた。
褒められたからチカラが出ているのはなく、自発的に勝手に動いているのだ。
いままでは、そう思ってきた。
ところが。
なんか。私は、微妙に間違っていたんだと思います。
最近、以前にも増していろいろ学ぶことが多く、それに気づきました。
まったく、甘いもんです。
大事なポイントは、
褒められるか、褒められないか、ではなく、
「その人のことを信頼して、期待できるかどうか」なんだと思う。
どうせ、こいつはどんなに頑張ったってこんなもんだろう。
そう思ったら可能性を勝手に否定して、
期待しないから、そういう結末になってしまうんだ。
人は褒められたから伸びるんじゃなくて、
人は期待されたら、その期待に応えようとして自ら頑張るんじゃないか。もっと頑張って結果出してやろうとするんじゃないか。
いつもじゃないけれど、期待された時、自分でも信じられないパフォーマンスを発揮できる。
(特に、クラスで好きな女の子が応援してくれたときは、クラス対抗戦は絶対に勝ってきた気がする。これは、余談です。)
さらに、その相手がうわべだけではなく、自分自身の良いところ、悪いところ全てをみようとしてくれて、その上で心から信頼してくれていると感じたら、なおさらだ。
元々、褒めるのも褒められるのも苦手なので、
恥ずかしくて面と向かっては言えないけど、
いまのウチのメンバーは、
短期間のうちに、私の想定外の成長やパフォーマンスをみせてくれている。
もちろん、組織として目指しているレベルには、まだまだ程遠いのだけど、
このままいけばいけるんじゃないかと思う。
いつも悪戦苦闘してるけど、光はなくしていない。
チームを勝利に導くのが、経営者の役目。
そして、その度量が試されている。
他人に期待すると、その期待通りに行かなかった時、
ショックを受けるかもしれない。
だからと言って、はじめから期待しないというのはとても悲しいことだ。
努力の末に、たとえ、1人でできなかったとしても、
それを他のメンバーが補い合ってくれるはず。
時に、厳しいフィードバックをするかもしれない。
それでも、僕は、みんなそれぞれ違う能力を持っている、このチームに期待したい。
P.S. いま振り返ると、前述のクライアントの社長が伝えようとしていたのは、こういうことだったのかと思う。
以前は酷かったんだけど、最近、社員がやる気を出してスゴイんだよってニコニコしながら笑う姿がこれまでなんどもあったことを思い出しました。