一瞬に賭ける勝負。

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まったく、どーなってんだ。
今年の夏は、いつもより熱くない気がする。

梅雨は長かったし、突き刺すような太陽の光よ、
もっとギラギラ来いや!!と思ってしまう。

とにかく、雨なんかシトシト降ってんじゃないし、
台風なんか来るのは20日早いんだよ、と、
天に向かって叫ぶのを、近所迷惑になるので全力で控えている毎日です。

このように、天候的には刺激が足りない今年の夏ですが、
いろいろと見たり、聞いたり、人と接している中で、
私自身の体感として、今年の夏は、例年以上にアツク感じています。

当社とも関わりの深い(と勝手に感じていた)東京都知事選挙。
毎年恒例の、夏の甲子園大会。
そして地球の裏側で絶賛開催中、四年に一度のリオ・オリンピック。
業界的には、この時期の一大イベント、税理士試験。
その他、夜な夜な、人との出会いや語りべ、など。

直接知っているか、知らないかは別として、
ある一瞬の勝負のために、大変な努力を積み重ねてきた人が、
世の中にはたくさんいる。

自ら挑戦すると決めたその勝負に立ち向かうすべての選手は、
この日のために、 この試合のために、たった一瞬の勝負のために、
長い長い年月をかけて、多くを捨てて全てを捧げてきたはずである。

とてつもない練習や努力、そして、迷いと緊張感。
勝利した時の喜びを想定しつつも、その反対の敗北という恐怖感。
周囲の人からの応援に対する感謝と、併せ持つ期待へのプレッシャー。

そのように戦っている姿を見ていると、なぜか、鳥肌が立ってしまう。
もちろん、結果に注目するけど、そこまでの過程の方をつい想像してしまう。

また、試合後のインタビュー。

オリンピック選手を例にとれば、

「4年後の大舞台のために、またイチからやり直します。」と、
感謝の意と共に、様々な表情を浮かべながら、勝負の直後であるのに、この言葉を発する。

これまでだって、とてつもなく努力してきたはずなのに、
また、イチからやり直して、さらなる高みを目指し、再挑戦すると言うのだ。

4年って、一言で言ったって、めちゃくちゃ長い時間だ。

この夏、そんな尊い姿を数々と見てきて、自問自答してしまった。

「おれは、そこまでの勝負をしているのだろうか?」と。

企業の経営で言えば、1年を締めくくる「決算日」が、
1年間の成績が名実ともに現れる一区切りの日にあたる。

過去の決算日を振り返って、

「おれは、この1年間、
この日を迎えるために、すべてをささげてきた。
もうやり残すことはないし、やり切った。」

そして、その1分後、
「今期(次)の決算日に向けて、また明日からイチからやり直します。」

そこまで言えた日はなかった。

そこまでの想いを持って、努力をしているのか?
自問自答してみると、そこまでの勝負をしていない。

まだまだ、ヌルイんです。

また、これは、当社が支援させていただいているお客様においても、
多くの場合がそうであると感じる。

経営目標や経営計画を必達にするために、すべてを捧げて勝負しているのか?
我々は、そのチカラを最大限発揮させるためのコーチ役でもある。
ものすごい選手には、ものすごいコーチがついている。
他人に胸を張って、やりとげた数字や実績という結果はあるものの、
失礼を承知で言うと、我々が甘いから、お客様だって甘くなるのだと思う。

また、企業経営の特性として、
決算日に限らずとも、1年のうちで、特定の”勝負の日”というものが少ない。
さらに、そこで負けることは、それまでどのくらい血反吐が出るほど努力していても、
負けは負け、という残酷な結末を迎えるという実感を持てる日も少ない。

この商談がダメでも、また、他の案件で取り返そう。
結局、やろうとしたけどできなかった。もう一度考えて、他の方法でカバーしよう。
このミーティングは上手くリードできなかったけど、次回、やり直せばいいや。

その積み重ねになっていたりしないか。

当然ながら、最悪の結果としては、企業経営には倒産という日が来る。
それは、突然やってくるよりも、その前からじわじわと迫ってきていることが多い。

知らず知らずのうちに、「ゆでがえる症候群」になっていないか。
青春時代に「告白した日」くらいの緊張感を持って、感性を研ぎ澄まし、時を過ごしているか。
明日の勝負のために、何日間も緊張感で寝れなかったりすることはないか。
カレンダーに、勝負の日を黒印で塗りつぶして、
あと何日残っているか、貴重な時を数えながら努力しているか。

過去は変えられないので、今からは、
さらに、攻めて、攻めて、その結果を体全体で受け入れようと思う。
攻めなければ勝てることはない。
そして、攻めることで、負ける可能性は確実に広がる。

最大の敵は、おそらく、怠惰な自分自身であり、
それが顕われた自らの会社の中にあるのだろう。

当社は、あと2ヵ月半で決算を迎える。

そして、一大勝負の一瞬を、もっと自らで設定し、
その一瞬まであきらめずに、ストイックに突き詰めていこう。

そして決算日、10月31日の23:59を迎えるとき、
やりきって朦朧としつつ、それまでの記憶を失いかけながら、みんなで寝落ちしたい。

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